
熱中症予防を意識した野球の1日練習メニュー例
夏場の野球練習において、熱中症を予防しながら安全に取り組める1日練習メニューをご紹介。休憩・水分補給・時間帯の工夫など、子どもたちを守る指導の工夫が満載。
午前のメニュー(涼しい時間を有効活用)
時間帯 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
8:00~8:15 | 集合・体調チェック・準備体操 | 日陰で実施。帽子・水筒を忘れずに。朝食を食べているか、睡眠はしっかりとっているかが重要。 |
8:15~8:30 | 動的ストレッチ【下に関連記事あり】 | 股関節・肩まわりを中心にウォーミングアップ。 |
8:30~9:00 | ランニング・敏捷性トレーニング | ラダー・ミニハードル・短距離ダッシュを交互に。 |
9:00~9:10 | 休憩・給水 | 水分+塩分補給を忘れずに。日陰で座る。 |
9:10~9:40 | キャッチボール・守備基礎 | 体調に異常がないか確認しながら。ノックは、内野と外野を分けてメニューを組んでも良い。ノックの待ち時間での体力消耗を避けるため。 |
9:40~10:00 | 守備連携(中継・ベースカバー) | 無理せず、連続動作は避ける。 |
10:00~10:15 | 休憩・冷却タイム | 氷嚢や濡れタオルで手のひらや足の裏、頬を冷やす。水分補給。 |
10:15~11:00 | バッティング練習(ティー・トスなど) | 少人数ローテーションで回す。打席以外は休ませる。元気な保護者コーチがいれば、守備などは入ってもらう。 |
11:00~11:30 | 実戦形式ノック | 5分交代などで守備負担を軽減。 |
11:30~12:00 | 昼食・休憩 | 木陰や屋内で。果物やスポーツドリンクも取り入れる。 |
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昼休憩(12:00~13:30)
この時間は日差しが強く、熱中症リスクが最も高いため、完全休憩が理想。可能であればエアコンの効いた室内で過ごし、必要に応じて仮眠(20〜30分)を取りましょう。
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午後のメニュー(短時間・集中型)
時間帯 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
13:30~14:00 | 再ウォーミングアップ・体調チェック | 午後の体調変化に注意。無理はさせない。 |
14:00~14:40 | 走塁練習(スタート・リード・スライディング) | 全力疾走は短時間。給水タイムを多く設ける。 |
14:40~15:00 | 休憩・アイシング | 水分+氷嚢。服を着替えるのも効果的。 |
15:00~15:30 | ゲーム形式(守備付き打撃・ミニゲーム) | 動きが少ないポジションと交代しながら。 |
15:30~15:45 | クールダウン(静的ストレッチ)【下に関連記事あり】 | 日陰で実施し、呼吸と体温を整える。 |
15:45~16:00 | 片付け・振り返り・解散 | 全員の様子を確認し、健康状態を記録。 |
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チェックポイントまとめ
熱中症予防は、練習メニューの中にいかに取り入れるかが大事です。また、その多くは環境を気にすることが多くなります。
- ハーフパンツの導入など涼しい格好を勧める
- 水分補給は10~15分おきに行う
- 「のどが渇く前に飲む」意識づけを
- 練習中に異変があったら即座に休ませる
- 氷嚢・経口補水液・冷却タオルを常備
- 気温35℃以上やWBGT28以上では練習中止を検討
- 熱中症対処法をスタッフで共有しておく。アイスバス、もしくはそれに代わるものを準備。
子どもたちの命と健康を守るためには、「やりすぎない」「無理をさせない」ことが最も大切です。熱中症は正しく予防すれば防げます。安全第一で、楽しい練習を続けましょう。