
医療機関などへの受診の目安とタイミング|親が知っておきたいポイント
子供がスポーツに打ち込む姿は頼もしいものですが、その反面、ケガや痛みを訴えることもあります。「どの程度で病院に連れて行くべきか?」「様子を見てもいいのか?」と悩んでしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スポーツをする子供に起こりやすい症状やトラブルを例に、受診の目安とタイミングについて解説します。
なぜ「早めの受診」が大切なのか?
子供の身体は発達途中であり、大人と比べて関節や筋肉、骨の柔軟性が異なります。そのため、軽い痛みでも放置すると成長期特有のスポーツ障害や慢性症状につながることがあります。
- 違和感のあるまま練習を続けて悪化する
- 痛みに慣れてしまい症状に気づかない
- 無理をすることで別の部位に負担がかかる
特に部活動やクラブチームでは「休みにくい空気」があることもあり、保護者の判断が重要になります。
受診すべき主な症状とタイミング
① 繰り返す関節や筋肉の痛み
運動後に何度も同じ部位に痛みが出る場合、オーバーユース(使いすぎ)の可能性があります。
目安:2~3日様子を見ても改善しない、または痛みが強まる場合は整形外科やスポーツ整形を受診しましょう。
② 明らかな腫れ・変形
打撲や捻挫のあとに腫れがひどい、内出血がある、変形しているなどの場合は、即時の受診が必要です。
目安:その場で運動を中止し、冷却・固定を行った上で、早めに医療機関へ。
③ 歩けない・体重をかけられない
「足が痛くて体重をかけられない」「歩くのが辛い」などの症状は、骨折や靭帯損傷の可能性も。
目安:即日、整形外科や救急外来を受診してください。
④ 成長痛との違いがわからない
成長期には「オスグッド病」「シーバー病」など、成長痛に似た症状が見られますが、我慢させてよい痛みとそうでない痛みの区別が難しいです。
目安:成長痛か不安な場合でも、無理せず一度整形外科で診断を受けることをおすすめします。
⑤ 頭を打った、めまいや吐き気がある
スポーツ中の頭部打撲は非常に危険です。脳震盪や頭部外傷の可能性もあり、早急な判断が求められます。
目安:めまい、ぼんやりする、嘔吐などがあれば、必ず医療機関を受診してください。
受診前にチェックしておくと良いポイント
医師にスムーズに症状を伝えるために、以下の情報をまとめておきましょう。
- 痛みの始まった日と経過
- 痛む場所(触ると痛いのか、動かすと痛いのか)
- 練習内容や頻度
- 安静にしていたかどうか
スマートフォンで動画や写真を撮っておくと、医師にも伝わりやすくなります。
かかりつけ医 vs. スポーツ専門医
小児科や整形外科のかかりつけ医にまず相談するのも良いですが、スポーツ専門医やリハビリ施設のある整形外科だと、より専門的な診断・治療が受けられます。
また、再発予防や競技復帰の判断など、競技継続を前提とした治療プランを立ててもらえるのが特徴です。
親が知っておくべき「休ませる勇気」
「ちょっとくらい痛くても大丈夫」と思って続けてしまう子も多いですが、将来的な後遺症や、別の部位への負担を考えると、勇気を持って休ませる判断が重要です。
一時的に休んだとしても、長期的に見ればパフォーマンスの向上や、ケガの予防につながります。
まとめ:子供の「小さなサイン」を見逃さない
スポーツに励む子供たちの身体は、思っている以上に繊細です。痛みや違和感を我慢させる前に、受診の判断を迷わず行うことが、長い目で見て子供を守ることになります。
- 違和感が続く場合は早めの受診を
- 症状の変化に敏感になる
- 自己判断せず医師の診断を仰ぐ
大切なのは、「様子を見る」のではなく、「行動する」こと。子供の未来を守るために、しっかりとサポートしてあげましょう。