
スポーツ現場での応急処置マニュアル|子どものケガに備える基本知識
スポーツの現場では、突然のケガにすばやく対応することが求められます。特に子どもが関わるジュニアスポーツでは、指導者や保護者が応急処置の知識を持っておくことがとても大切です。
この記事では、スポーツ中のケガへの初期対応として必要な「応急処置マニュアル」をわかりやすく解説します。
RICE処置とは?スポーツ現場の基本
捻挫や打撲、軽度の肉離れなど、多くのケガに対応できる基本的な応急処置が「RICE(ライス)処置」です。
- R(Rest):安静
患部を動かさないようにして、悪化を防ぎます。 - I(Ice):冷却
氷のうや保冷剤で患部を冷やし、腫れや内出血を抑えます。15〜20分冷やしたら少し休憩を入れ、これを数回繰り返します。 - C(Compression):圧迫
包帯やテーピングで適度に圧迫し、腫れを抑えます。 - E(Elevation):挙上
患部を心臓より高く保ち、血流を抑えて腫れを軽減します。
このRICE処置は、ケガの初期対応として非常に重要です。応急処置のタイミングが回復を左右することもあります。ただし、重症度によってはアイシングの是非があります。常に様々な情報を取り入れておきましょう。
応急処置の流れ【チェックリスト】
現場で慌てず対応するために、以下のチェックリストを参考にしてください。
確認項目 | 対応内容 |
---|---|
① 意識はあるか? | 呼びかけに反応するか確認。なければすぐ救急車を。 |
② 呼吸・脈拍は? | 呼吸がない、または不規則ならCPR(心肺蘇生)を実施。 |
③ 出血はあるか? | 出血部位を圧迫して止血。必要に応じてガーゼや包帯使用。 |
④ 骨折・脱臼の可能性は? | 変形や激しい痛みがある場合、動かさず固定し病院へ。 |
⑤ 捻挫・打撲・肉離れ? | RICE処置を実施し、痛みや腫れを観察。 |
⑥ 病院に連れて行くか? | 症状が重い、回復が遅い場合は早急に受診。 |
あると便利な応急処置キット
スポーツ現場に備えておきたい応急セットの中身はこちらです。
- 氷のう
- 伸縮包帯・テーピングテープ
- ガーゼ・消毒液
- 使い捨て手袋
- ハサミ・ピンセット
- ビニール袋・タオル
- 緊急連絡先メモ(氏名、生年月日、血液型がわからないと救急搬送できない)
応急処置後にやるべきこと
- 患部の観察(腫れ・変色・痛みの有無)
- 安静にするよう子どもに伝える
- 保護者や医療機関に早めに連絡
- 処置内容を記録(時間・処置内容・様子)
応急処置で注意すべき3つのポイント
- 独断で判断しない:特に頭部打撲や意識の有無には慎重に。
- 氷を直接当てない:低温やけどの恐れがあるので、布を一枚挟む。
- 無理に動かさない:骨折・脱臼の疑いがあれば固定して搬送。
まとめ|正しい知識で子どもを守る
スポーツ現場では、突発的なケガにどう対応するかが非常に重要です。RICE処置を中心とした基本の応急対応を覚えておけば、ケガの悪化を防ぎ、安心して子どもたちのプレーを見守ることができます。
この記事を参考に、日頃から応急処置キットの準備や、対応の練習をしておきましょう。
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