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小中学生野球選手に多い「腰痛」の原因と予防法|成長期の体を守るために

少年野球で頑張るお子さんの中には「最近、腰が痛いと言っている」「動きが鈍くなった」といった様子が見られることがあります。実は、成長期にあるジュニア期の野球選手は、体の使い方や筋力などの関係で腰に負担がかかりやすく、腰痛を訴えるケースが少なくありません。

今回は、ジュニア期の野球における腰痛の原因や主な症状、効果的な予防法やストレッチなどを詳しく解説します。保護者や指導者の方にとって、知っておくべき情報です。




なぜジュニア期の野球は腰痛が多いのか?

成長期の子どもの骨はまだ柔らかく、急速に発達する筋肉や骨に比べて、関節や腱が未成熟なため、スポーツの動作によって過度な負担がかかると障害につながる可能性があります。

特に野球では、ピッチングやバッティング、ダッシュやスライディングといった動作で、腰椎(腰の骨)に強い回旋・反り・ひねりのストレスが繰り返し加わります。

ジュニア野球の腰痛で多い主な症状

  • 腰を反らすと痛む
  • 投球後やスイング後に痛みが出る
  • 腰の中心や片側だけに痛みが集中する
  • 練習後にだるさや痛みが残る
  • 起床時に腰がこわばる

このような症状が長引く場合は、単なる疲労ではなく、スポーツ障害が進行している可能性もあります。

代表的な腰の障害「腰椎分離症」とは?

腰痛の中でも、ジュニアアスリートに特に多く見られるのが「腰椎分離症」です。これは、腰の骨の一部(椎弓)が繰り返しのストレスによって疲労骨折を起こす状態です。

初期であれば保存療法(運動制限やコルセット)で回復可能ですが、放置すると骨が癒合せず慢性化し、将来にわたって腰痛を抱えるリスクが高まります。

腰椎分離症のチェックポイント

  • 安静時でも腰に痛みがある
  • 後ろに反らす動作で痛む
  • 片側の腰に鋭い痛みが出る

疑いがある場合は、整形外科でX線やMRIによる画像診断を受けることが重要です。

腰痛を防ぐためにできること

1. 練習量の適正管理

過度な反復練習や連投、長時間の練習は、腰への負担を大きくします。休養日や週単位でのオフを設け、疲労が蓄積しないようにしましょう。

2. 正しいフォームの習得

体に無理な負担がかかるフォームでの投球・打撃は、腰痛の原因になります。専門の指導者からフォームのチェックを受け、体に合った動きを身につけることが大切です。

3. 柔軟性と筋力のバランスを整える

体幹(コア)や下半身の筋力不足、股関節やハムストリングスの硬さがあると、腰が代償的に動くようになり負担が集中します。

4. 日常的なストレッチの習慣化

成長期の柔軟性を保つために、日々のストレッチを欠かさないことが予防につながります。

おすすめストレッチ3選

  1. ハムストリングスストレッチ
    座った状態で片足を伸ばし、つま先に手を伸ばす動作。太ももの裏が伸びている感覚を意識。
  2. 股関節開脚ストレッチ
    あぐらの姿勢で膝を床に近づけるように押し下げる。股関節の柔軟性向上に。
  3. キャット&カウ
    四つん這いになり、背中を丸めたり反らせたりする動作。腰の動きと筋肉の柔軟性を高めます。

無理のない範囲で、毎日継続することがポイントです。

腰痛があるときの対応

もし子どもが腰痛を訴えた場合は、まず安静にさせ、無理に練習を続けさせないことが大前提です。

  • 患部を冷やす(アイシング、冷やすことで痛みが落ち着く場合など)
  • 痛みが数日続く場合は整形外科へ
  • 無理なストレッチは控える
  • トレーナーや理学療法士の指導を受ける

特に成長期は「成長痛」と混同しやすいため、見逃さないよう注意しましょう。

保護者・指導者の役割

ジュニア期の選手は「痛み=弱音」と思い込むことがあります。痛みを我慢してしまうことが多くあるので、日頃から子どもの動きや表情に注意を払い、「痛みを訴える=悪いことではない」という雰囲気づくりが大切です。

また、練習内容や頻度の調整、ケガをしにくいトレーニング環境づくりにも大人の理解と協力が必要です。



まとめ

ジュニア野球における腰痛は、単なる疲労や成長痛ではなく、将来に影響を及ぼす可能性のあるスポーツ障害です。

腰痛の早期発見と対策のためには、日々の体調チェック、柔軟性の維持、練習の見直しが欠かせません。保護者・指導者が正しい知識を持ち、選手本人の健康を最優先にサポートしていきましょう。



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