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中学生になる前に知っておきたいスポーツ解剖学|野球編

中学校に進学すると、本格的な部活動が始まり、野球の練習量や強度も一気に増えていきます。ですが、身体がまだ成長過程にあるこの時期には、「筋肉や骨、関節の正しい知識」が非常に重要です。今回は、中学生になる前に知っておきたい野球に関わるスポーツ解剖学をわかりやすく解説します。




1. 野球は全身を使うスポーツ

野球は「投げる」「打つ」「走る」「捕る」といった動作の連続で成り立っています。これらの動作は、主に以下のような部位の協調運動によって実現されています:

  • 肩関節・肩甲骨周り:投球やスローイング動作の中心
  • 股関節:バッティング・守備・走塁すべてにおいて重要
  • 体幹(腹筋・背筋):動作の安定性を支える
  • 下半身(太もも・ふくらはぎ):地面からの力を伝える役割

このように、一部の筋肉だけでなく、全身の連動が必要となるため、偏ったトレーニングや姿勢不良はケガの原因になってしまいます。

2. 成長期に注意したい体の部位とケガ

小学生から中学生にかけては、骨の成長が著しい時期です。この時期特有のスポーツ障害もあるため、正しい知識を身につけておきましょう。

代表的な障害例

  • リトルリーガーズショルダー:投球の繰り返しで上腕骨の成長軟骨に負担がかかる
  • 腰椎分離症:スイングや投球時の腰の回旋動作が多いと起こりやすい
  • オスグッド病:膝下の成長軟骨に負担がかかり、痛みが出る

これらはすべて「過度な練習」「柔軟性の低下」「フォームの崩れ」が原因となることが多く、早めのケアと予防が大切です。

3. 野球動作と関係する筋肉を知ろう

ここでは、野球における主要な動作と、それに関係する筋肉をいくつか紹介します。

動作 主に使われる筋肉
投げる 三角筋、広背筋、前腕屈筋群、回旋筋腱板
打つ 大胸筋、腹斜筋、大腿四頭筋、ハムストリング
走る 大臀筋、腸腰筋、ふくらはぎの筋群
捕る(キャッチ) 上腕二頭筋、肩甲骨周囲筋、前腕伸筋群

4. 小学生から取り入れたい予防のための習慣

本格的なトレーニングを始める前の小学生時代だからこそ、次のような習慣を身につけておくことが重要です。

  • 正しいフォームの習得:コーチ任せにせず、動画や専門書なども活用する。ただし、Youtubeなど多くの情報がある場合は選ぶのが非常に難しいため、他の人の意見も聞きながら、できる部分だけ取り入れることをお勧めします。
  • 柔軟性の向上:特に肩まわり・股関節・ハムストリングのストレッチを習慣化
  • 休息と睡眠:成長ホルモンの分泌が高まる睡眠時間をしっかり確保
  • ウォーミングアップ・クールダウンの徹底:筋肉や関節の負担を軽減

5. 保護者や指導者ができるサポート

子ども自身が体の構造や機能を完璧に理解するのは難しいもの。そこで、保護者や指導者が以下のような役割を果たすことが大切です。

  • ケガの早期発見(肩の違和感、腰の痛みなど)
  • 無理な連続登板や過度な練習を控える配慮
  • 子どもが「痛みを言いやすい雰囲気」を作る
  • スポーツ整形外科や専門治療の知識を持っておく



まとめ

野球が上達するためには、技術だけでなく「自分の身体を知る」ことが大切です。特に中学生になる前のこの時期に、スポーツ解剖学の基本を理解しておくことで、ケガの予防やパフォーマンス向上にもつながります。将来、長く楽しく野球を続けるためにも、正しい知識と習慣を今から少しずつ身につけていきましょう。



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