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陸上競技・短距離における競技特性と怪我の種類




陸上競技の中でも短距離走は、100mや200m、400mなどの距離を一気に走り抜けるスピード競技です。ジュニア期の選手にとっては、爆発的な瞬発力と正しいフォームの習得が重要ですが、その分、特有の怪我や障害が発生しやすい競技でもあります。ここでは短距離の競技特性と、注意すべき怪我の種類について解説します。

短距離走の競技特性

  • 瞬発力とパワーが勝負:スタートからトップスピードに乗るまでの加速力がタイムを大きく左右します。
  • 筋肉への負荷が大きい:特にハムストリングス(太もも裏)、大腿四頭筋(太もも前)、ふくらはぎに強い負荷がかかります。
  • 技術的要素が重要:スタート姿勢、腕振り、ストライド、ピッチのバランスがタイム向上のカギ。
  • 全力疾走による疲労蓄積:短時間でも筋肉や腱に高いストレスがかかり、回復期間が必要です。

短距離選手に多い怪我の種類

1. 肉離れ(ハムストリングス損傷)

全力疾走中に太ももの裏(ハムストリングス)に急な痛みを感じることがあります。スタートやスパート時に多く発生し、特にウォーミングアップ不足や疲労の蓄積が原因になります。

2. アキレス腱炎

スタートダッシュや連続した練習でアキレス腱に炎症が起こります。ふくらはぎの硬さやシューズの不適合も要因です。

3. 膝の障害(ジャンパー膝・ランナー膝)

繰り返す地面からの衝撃やストライドの大きさにより、膝蓋腱(ジャンパー膝)や外側の腸脛靭帯(ランナー膝)に炎症が起きることがあります。

4. シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

脛の内側に痛みが出る障害で、硬いグラウンドやオーバートレーニングが原因となります。初期対応が遅れると疲労骨折に進行することも。

5. 足首の捻挫

スタート時やコーナー走での接地ミス、着地の不安定さから発生します。軽症でも再発しやすいので、安易な復帰は禁物です。

怪我予防のためのポイント

  • 十分なウォーミングアップ:ジョギングや動的ストレッチで筋肉を温めてから全力動作へ。
  • 柔軟性と筋力のバランス強化:特にハムストリングスと大腿四頭筋のストレッチを習慣化。
  • フォームの見直し:無理なストライドや姿勢の崩れを修正する。
  • 練習量の管理:疲労が残っているときは全力走を避ける。
  • 適切なシューズ選び:足型や競技レベルに合ったスパイクを選択。

短距離選手におすすめのストレッチ方法

ウォームアップ(動的ストレッチ)

  • レッグスイング(前後・左右):腰に手を当て、片足を前後に大きく振る。左右方向も行うことで股関節の可動域を広げる。
  • スキップドリル:軽くスキップしながら膝を高く上げ、ハムストリングスと腸腰筋を動的に刺激。
  • ランジウォーク:一歩ずつ大きく踏み込み、股関節と太もも前を伸ばす。
  • ハイニー:その場で素早く膝を胸に近づけるように上げる。

クールダウン(静的ストレッチ)

  • ハムストリングスストレッチ:床に座り、片足を伸ばしてつま先に手を伸ばす。
  • 大腿四頭筋ストレッチ:立ったまま足首を持ち、かかとをお尻に近づけて前ももを伸ばす。
  • ふくらはぎストレッチ:壁に手をつき、後ろ足のかかとを床につけたまま押し込む。
  • 股関節開脚ストレッチ:床に座って足を大きく開き、体を前に倒す。



まとめ

短距離走はスピードとパワーを競う魅力的な種目ですが、その分、瞬発的な動きによる怪我のリスクも高い競技です。日々のウォーミングアップやケア、正しいフォーム習得、練習量の調整を行うことで、パフォーマンス向上と怪我予防の両立が可能になります。さらに、動的ストレッチで体を温め、静的ストレッチで筋肉をほぐす習慣をつけることで、ケガのリスクを大きく減らすことができます。保護者や指導者は、選手の体調や動きの変化を見逃さず、早期対応を心がけましょう。



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